転職 大失敗
ブラック企業入社
ハロワなどへ 何度も通い、
やっとの思いで見つけた転職先が、
たまたまブラック企業だった物語。
イメージ・経験から再構成したもので、
実在の人物・団体・事件などとは、
一切関係ありません。
これから主人公に降りかかる悪災は、
すべてブラック企業の特徴と言える。
今までは、自宅の警備に従事していたが、
今日から本気出すを身上に、
この主人公は、本当に頑張ったのだ。
「がんばり」「努力」は、
全く評価されることなく、
人生の一部をムダにしたばかりか、
体をも破壊した。
入社前の面接から、振り返ってみよう。
ブラック企業が跳梁跋扈
(ちょうりょうばっこ)する
求人広告 編
ブラック企業 特徴
求人広告での待遇が 非常に良い
主人公:良いトコ見つけた!!」
一見、とても夢のあるような内容である。
「転職したことがある人」ならわかると思うが、
確実に、この通りにはならないのが、
常識である。(いわゆる釣り求人)
なぜ、この通りにならないのに、
求人広告では大きな夢を与えるのか。
この時、社会人経験の多い転職者は、
極めて冷静に、企業診断をする。
相当良い条件を提示しないと、
誰も応募してこないような会社
過去に何かあったのかしら?
悪い意味で有名なのかしら?
相当良い条件を提示して
一刻も早く人員を補充したい会社
そんなに社員がいないのかしら?
何かが起きて、
いっぱい辞めちゃったのかしら?
あまりにも高待遇な場合
事情がある会社の可能性がある
しかしながら、
社会人経験が著しく少ない者は、
こういった考察が一切できなくて、
釣り求人に
見事に引っかかる傾向がある。
ただし、そうは言うものの、
求人内容に書いてあることは詐欺ではない。
ただ単に、この主人公が そんな事を知る由もないAさんは、
「家から近い」「転勤のない準社員」
「責任者・幹部候補」という、
魔法の言葉に惹きつけられる。
社会人素人は、とかく、
「幹部候補」や「店長候補」などの
肩書きに憧れてしまう傾向がある。
こういう無知なヤツが
ブラック企業の
食い物にされる。
そうとも知らず、
ココは、自分の追い求めていた
夢のある会社と、
信じて疑わない。面接を受ける事にした。
やっと良いトコ見つけた!!
1年後には、
俺も店長になれるかも!!
今まで、馬鹿にしてきた奴らを
見返してやる。
こんな動機で
ブラック企業に飛び込むと、
常人よりも、さらにイタイ目を見る。
転職失敗しないためのポイント
求人広告の内容を
鵜呑みにしない
待遇が良い=過酷
これは もはや常識
ブラック企業とは知らず
乾坤一擲(けんこんいってき)の
面接 編
ブラック特徴 面接官が 社長
久しぶりにスーツを身にまとい、
いざ、面接へ。
幸いにも面接地は、
自分の希望勤務地でもある、
南区店であった。(家から近い)
もし、面接会場が他の店舗だったら、
遠足のような距離だった。
いや〜、面接地が
さいはて店(85キロ)じゃなくて
良かった〜
俺って運がいい〜
面接室へ呼ばれる。
「失礼します! よろしくお願いします!」
部屋には、大柄な中年男性と、
若い男性の2名が待機していた。
「この2人が面接官か。」
向こうから、先に自己紹介される。
「私が○○社の、社長を務めております、
鬼熊 虎五郎(仮称)と申します。」
まさかの 社長が面接官
通常、企業において、
社長自らが面接官になる事は、
滅多にない。
採用担当者、あるいは、各店舗の
「雇われ店長」が面接をするのが大多数である。
社長自ら出陣には、
何か事情があるのか?
考えられる理由として、会社に
何らかのとんでもない風潮があり、
→ 社員の退社(脱走)が相次ぐ
→ 社長が、採用担当者を厳しく叱責する →
→ 「お前が採用したヤツは、
みんなすぐ辞めていく!!
お前の人を見る目が腐ってる!!」
→ 「お前に採用を任せてたら会社が潰れちまう。
ワシが自ら面接をする!!」
つまり 社長自ら面接する会社は
社員激減により、会社存続の危機
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ブラックあるある
面接時の社長が
ものすごくイイ人
大柄で迫力のある風貌だが、鬼熊社長は、
終始笑顔で愛想も良い。
ブラックあるあるA
面接時に
肩書き・役職をちらつかせる
社長:ウチの会社は、
実力のある人だけが出世できるから、
君も、ちょっとがんばれば、
すぐに主任・店長になれるよ。
これはチャンスだよ、きみ。
いい会社選んだね〜。
これも、あなたに
「見る目がある」って事だと、
私は評価するから。
主人公:いや〜、こんなチャンスを
与えて頂けるなんて、
ありがたいです。
面接に合格したら
死に物狂いでがんばって、
会社に貢献させて頂きます。
(こりゃ、ガチで、すごいチャンスが
降ってきたかも〜(笑)
社長:おお〜。
頼もしい事言うね〜、きみ。
今日は、A君の他にも、
10人面接受けているんだけど、
君なら大丈夫そうだね。
芯も一本通ってそうだし。
ハキハキしてるし。
今時の若者にしては、しっかりしてる。
キミは出世するタイプだよ。
主人公:是非、前向きに、
よろしくお願いします!!
社長:君には、店長を目指して
頑張ってもらいたい。
出世したら、バイヤーとして
海外にも行かせるから。
主人公:はい! 是非、店長になりたいです!
ぼくに、チャンスをください!!
(もしかして、俺って気に入られている?
マジで店長なれそうなんだけど)
社長:さて、え〜、わが社の店舗は、
5店舗から成っており、
東区店・西区店・南区店・北区店、
そして、さいはて支店があります。
君は、南区店希望という事ですが・・・、
主人公:はい。南区店以外では、
遠すぎで通えないんです。(笑)
さいはて支店などは、
自宅から80キロもありましたよ。
(苦笑)(自虐)
社長:まあ、希望は聞くけど、
せっかく上を目指すんだから、
いろんな店舗を見なきゃあ。
井の中の蛙じゃあ、成長もないからね。
だから、ヘルプとして
他の店舗に入る日もあると
思っておいてほしい。
主人公:はい。わかりました。
楽しみです!!
(まあ、ヘルプでたまに
行くくらいならいいか。
遠足だと思えば。)
社長:さすがだね〜。
やっぱ上を見据えている人は、
決意が早いね〜。
主人公は知るよしも無いが、面接時の社長が
ものすごくイイ人
大柄で迫力のある風貌だが、鬼熊社長は、
終始笑顔で愛想も良い。
ブラックあるあるA
面接時に
肩書き・役職をちらつかせる
社長:ウチの会社は、
実力のある人だけが出世できるから、
君も、ちょっとがんばれば、
すぐに主任・店長になれるよ。
これはチャンスだよ、きみ。
いい会社選んだね〜。
これも、あなたに
「見る目がある」って事だと、
私は評価するから。
主人公:いや〜、こんなチャンスを
与えて頂けるなんて、
ありがたいです。
面接に合格したら
死に物狂いでがんばって、
会社に貢献させて頂きます。
(こりゃ、ガチで、すごいチャンスが
降ってきたかも〜(笑)
社長:おお〜。
頼もしい事言うね〜、きみ。
今日は、A君の他にも、
10人面接受けているんだけど、
君なら大丈夫そうだね。
芯も一本通ってそうだし。
ハキハキしてるし。
今時の若者にしては、しっかりしてる。
キミは出世するタイプだよ。
主人公:是非、前向きに、
よろしくお願いします!!
社長:君には、店長を目指して
頑張ってもらいたい。
出世したら、バイヤーとして
海外にも行かせるから。
主人公:はい! 是非、店長になりたいです!
ぼくに、チャンスをください!!
(もしかして、俺って気に入られている?
マジで店長なれそうなんだけど)
社長:さて、え〜、わが社の店舗は、
5店舗から成っており、
東区店・西区店・南区店・北区店、
そして、さいはて支店があります。
君は、南区店希望という事ですが・・・、
主人公:はい。南区店以外では、
遠すぎで通えないんです。(笑)
さいはて支店などは、
自宅から80キロもありましたよ。
(苦笑)(自虐)
社長:まあ、希望は聞くけど、
せっかく上を目指すんだから、
いろんな店舗を見なきゃあ。
井の中の蛙じゃあ、成長もないからね。
だから、ヘルプとして
他の店舗に入る日もあると
思っておいてほしい。
主人公:はい。わかりました。
楽しみです!!
(まあ、ヘルプでたまに
行くくらいならいいか。
遠足だと思えば。)
社長:さすがだね〜。
やっぱ上を見据えている人は、
決意が早いね〜。
この日、社長は、面接者10人に
同じようなセリフを言っている。
とにかく、早急に人員を確保したいので、
徹底して「良い人」を演じ、
相手を持ち上げる。
いい気分にさせておいて、
役職をちらつかせる。
男性は特に、「肩書き」「役職」に憧れ、
こだわる傾向が強いので、
この社長との「夢のある面接」の後、
みな一様に、この会社に心酔している。
まだある
面接時のブラック企業フラグ
社長に同行している人の
顔が引きつっている
社長の存在感の影にかくれて、
目立たないが、
社長の横に座っている、
自分と同じ位(29歳)の若者も、
面接官である。
だが、しゃべるのはほとんど社長で、
彼の出番はない。
面接も終盤、
社長:君は、なんかスポーツやってたの?
主人公:学生時代はサッカーをやっていました。
社長:佐藤(仮称)も昔、
サッカーやってたんだよな。
ここで、やっと
「社長の隣の面接官」の
名前が明かされる。
佐藤:ええ。そうッス。(苦笑)
社長:佐藤、あんた、これから後輩となる
○○君が目の前にいるんだから、
もっとハッキリしゃべんなさいよ(笑)
佐藤:はいっ。 すんません!!(苦笑)
社長:え〜と、彼は〜、南ブロックの
エリアマネージャー、佐藤です。
佐藤:佐藤と申します。自分も入社して、
まだ1年ですが、
○○さんも、これからいっぱい
チャンスがあると思うんで、
頑張ってください。(苦笑)
主人公:よろしくお願いします。
(この佐藤さん、
必死で笑顔を作っているけど、
なんか、顔が引きつっているんだよな。
つくり笑顔が苦手なのかな。)
社長:佐藤くんは、ちょっと
おとなしい性格だけど、実力はあるから、
今じゃあ、南ブロックの
統括を任せています。
佐藤:いや〜、自分じゃ、
実力があるなん
て思ってないでスよ・・。(苦笑)
このように、社長の側近の主人公:学生時代はサッカーをやっていました。
社長:佐藤(仮称)も昔、
サッカーやってたんだよな。
ここで、やっと
「社長の隣の面接官」の
名前が明かされる。
佐藤:ええ。そうッス。(苦笑)
社長:佐藤、あんた、これから後輩となる
○○君が目の前にいるんだから、
もっとハッキリしゃべんなさいよ(笑)
佐藤:はいっ。 すんません!!(苦笑)
社長:え〜と、彼は〜、南ブロックの
エリアマネージャー、佐藤です。
佐藤:佐藤と申します。自分も入社して、
まだ1年ですが、
○○さんも、これからいっぱい
チャンスがあると思うんで、
頑張ってください。(苦笑)
主人公:よろしくお願いします。
(この佐藤さん、
必死で笑顔を作っているけど、
なんか、顔が引きつっているんだよな。
つくり笑顔が苦手なのかな。)
社長:佐藤くんは、ちょっと
おとなしい性格だけど、実力はあるから、
今じゃあ、南ブロックの
統括を任せています。
佐藤:いや〜、自分じゃ、
実力があるなん
て思ってないでスよ・・。(苦笑)
顔が引きつっている、
または、態度がおとなしい場合、
社長の圧力を恐れて、
ちぢこまっている可能性がある。
(初対面のAさんには仏顔の社長だが、
普段は修羅の可能性が高い)
ここで、佐藤統括が
目立った発言を控えているのは、
社長に、
「このワシを差し置いて、お前何様だ?」
と言われるの恐れているからである。
日ごろから、
社長の考えと違う発言をすると、
必ず怒鳴られることは明白である。
しかしながら、会社内部の状態を、
この主人公が知る由もない。
ともあれ、面接は
無事(いい感じ)で終了する。
転職失敗しないためのポイント
初対面の面接時は
どこの会社も皆イイ人
むしろ必死こいて
演技されている 乙
ブラック特徴6 いきなり話が違う
電話が鳴る。
○○:え〜、わたくし、
○○社の東区店、店長の小沢(仮称)と申します。
Aさんのケータイでよろしいでしょうか?
Aさん:はい。わたくし、Aと申します。
小沢:え〜、先日は面接に応募して頂きありがとうございます。
検討した結果、Aさんの採用が正式に決定しました。
Aさん:あっ。 ありがとうございます!!
(よっしゃー!! 南区店の店長目指して、これから成り上がるぞ!!)
小沢:え〜、それでですね〜、
Aさんには、研修生として、すぐに店舗に入って頂きます。
それで、Aさんの勤務先の店舗が決まりました。
○○社 さいはて支店。
Aさん: えっ!?
小沢:さいはて支店は、主に車の部品を販売しています。
Aさん:あの〜、すいません、さいはて支店って、○○市ですよね・・。(汗)
自宅から80キロくらい離れてて、とても通えないんですけど・・・。
小沢:・・・通えないって言われても・・・。もう決まっちゃったから・・。
・・・行ってよ・・・。せっかく合格したんだから・・・。
Aさん:いや・・、始発で行って、終電で帰るようになってしまうので・・・(汗)
小沢:これは、社長がキミの根性を試しているんだと思うよ。
ここで根性見せれば、キミの評価が上がると思うんだよね。
だから、逃げないで挑戦してみてよ。
ブラック特徴7 研修期間があいまい○○社の東区店、店長の小沢(仮称)と申します。
Aさんのケータイでよろしいでしょうか?
Aさん:はい。わたくし、Aと申します。
小沢:え〜、先日は面接に応募して頂きありがとうございます。
検討した結果、Aさんの採用が正式に決定しました。
Aさん:あっ。 ありがとうございます!!
(よっしゃー!! 南区店の店長目指して、これから成り上がるぞ!!)
小沢:え〜、それでですね〜、
Aさんには、研修生として、すぐに店舗に入って頂きます。
それで、Aさんの勤務先の店舗が決まりました。
○○社 さいはて支店。
Aさん: えっ!?
小沢:さいはて支店は、主に車の部品を販売しています。
Aさん:あの〜、すいません、さいはて支店って、○○市ですよね・・。(汗)
自宅から80キロくらい離れてて、とても通えないんですけど・・・。
小沢:・・・通えないって言われても・・・。もう決まっちゃったから・・。
・・・行ってよ・・・。せっかく合格したんだから・・・。
Aさん:いや・・、始発で行って、終電で帰るようになってしまうので・・・(汗)
小沢:これは、社長がキミの根性を試しているんだと思うよ。
ここで根性見せれば、キミの評価が上がると思うんだよね。
だから、逃げないで挑戦してみてよ。
Aさん:つまり、ヘルプとかじゃなくて、
正式に、「さいはて支店」に配属って事ですよね。(汗)
小沢:そうだね。でも、研修期間が終われば、また異動になるとは思う。
Aさん:研修期間って、どのくらいの期間なんですか?
小沢:わからない。
Aさんは、「話が違う」と思いながらも、先の「良い雰囲気の面接」を思い起こし、正式に、「さいはて支店」に配属って事ですよね。(汗)
小沢:そうだね。でも、研修期間が終われば、また異動になるとは思う。
Aさん:研修期間って、どのくらいの期間なんですか?
小沢:わからない。
「自分は社長に気に入られている」と、今も思っている。
「社長が自分を試している」「研修期間が終わるまでの辛抱」と、自分に言い聞かせて、
自宅から80キロ離れた「さいはて支店」への配属を、受け入れる。
ちなみに、今のAさんは知る由もないが、
「社長がAさんの根性を試している」なんて事はない。
ただ、開いた穴を埋めただけにすぎない。
小沢店長が、Aさんを逃がさないために、アドリブで言っただけである。
Aさんを逃がすと、小沢店長が、社長から厳しい叱責を受けるからだ。
転職失敗しないためのポイント
入社時に話が違うと
「全ての話が違う」可能性が高い
ともあれ、転職したAさんの新天地での生活が、いよいよ始まる。
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