警備員(ガードマン)に
なりたいなら知っとけ!
仕事内容は カタコーばっかり
お前が警備員(ガードマン)なら
知っておきたい専門用語
■カタコー
片側交互通行の略。
道路(工事現場)で棒振っている作業が
カタコーであり、そこらじゅうで見かける。
余談ではあるが、
警備員の未経験者、及び、新人は、
警備員(ガードマン)という名称から
人を守る仕事という
壮大なイメージを抱いて、
ボディガードのようなカッコいい仕事を
思い描いて出勤してくる。
しかしながら、実際には
警備員の仕事内容は、下記の仕事である。
95%の警備員が、
大雨の日だろうが、真夏日だろうが
工事行われる限り、
このカタコーだけをやらされ、そして、
退職まで、カタコーしかさせてもらえない。
よって、警備員になる=毎日カタコーと
思って頂く必要がある。
なお、残りの5%は、
道路ではなく、施設の警備に配属されるが、
これは極めてレアなケースである。
■二人カタコー
工事区間の面積・距離が長い場合、
2人でカタコーを行う。
互いの合図を元に、ドライバーに対し、
発信・停止の指示を出す。
2人で行うという事は、
必ず相方(ペアを組むヤツ)がいる。
相方が使えない奴だと
車両を止めているお前が
容赦なくクラクションを鳴らされる。
相方が いつまでも車両を流しているから、
お前は、車両を止める事ができない。
当然、ドライバーに怒鳴られる。
イライラがMAXになり、
相方の方を向くと、
ちょっ
倒れてるwwwww
2人で行う以上、共同作業であり、
どちらか1人が倒れると終わる。
助けに行こうにも、
全力で車両を止めているお前は
絶対に持ち場を離れられない。
倒れた相方を助けに行くために
お前が持ち場を離れると、
双方から車両が発進してしまうため、
確実に正面衝突となり、
新聞に載るほどの大事故となる。
正面衝突の事を、
お見合いと表現する警備員もいる。
工事区間が広い場合で3人体制であれば、
倒れた警備員と
ポジションチェンジができるが、
2人体制の場合、どうしようもない。
■お見合い
カタコーを失敗して、
車両と車両が、
道路中央で鉢合わせる。
警備員として、一番恥ずかしいミスであり、
当然、ドライバーや現場の監督から
ものすごい剣幕でキレられる。
また、当たり前だが、
会社にクレームを入れられるため、
お前の会社の上司からも
長時間の説教をされる事となる。
さんざん怒られた挙句、
その現場は出禁になる。
基本的に怒られてナンボの
迷惑産業である。
したがって、耐性が無い人は
ストレスを溜め込みすぎて、
短期間で薄毛になる可能性すらある。
■出禁(できん)
出入り禁止の略。
事故を起こす等、大きなミスをしたり、
歩行者や職人さんとモメると、
当然だが、そこの現場には、いられない。
■一人カタコー
工事区間が短い場合、1人でカタコーを行う。
電気工事の職人さんにつく場合など。
職人さんの駐車した車(バケット車)が、
障害物になるため、カタコーを行う。
1人しかいないので、必然的に
近所の住民や通行者からの
クレーム処理をも兼務する事になる。
■無線カタコー
工事区間が、何百メートルにも
わたるような場合、
または、複雑な場合、
あるいは、
夜勤で周囲が暗い場合などで採用される。
最後の車両のナンバーを、
無線(トランシーバー)で相方に伝える。
無線カタコーは、
今日始めて会ったような奴との
阿吽の呼吸が要求される。
「ラスト 1223 白のトラック。
どうぞ。」
「1223 白のトラック。了解。・・・・
1223 確認。流します。」
音声だけしかヒントが無いため、
相方の滑舌(かつぜつ)が悪いと
全てが終わる。
大抵、仲間であるはずの警備員同士で
壮絶なケンカになる。
無線ではなく、じかに文句を言う場合、
何百メートルも離れた相方の所まで
ダッシュしなくてはならない。
互いにアルバイトであるが、
プライドだけは高いため、
激しいケンカとなる。
もちろん、ケンカしている最中は
交通誘導は休止状態となり、
新聞に載るほどの大事故となる。
■ケンカ
お互いにアルバイト同士だが、
往々にして、みんな
自分が一番偉いと思っているため、
自分以外の人に
しきられるのが大嫌いである。
現場のリーダーの地位を巡って
毎日のようにケンカとなる。
そして、次々と出禁となる。
また、余談ではあるが、
前職が無駄にスゴい人が多い。
それに比例して、
過去のプライドを引きずっている人が多く、
他者を見下す傾向がある。
今は同じアルバイトだが、
俺だけは特別な存在なんだ と、
お互いに思っている。
■職人さん
土方・鳶・ペンキ・電気工事など、
呼ぶ時は、「職人さん」と呼ぶ。
仲良くなれば、名前で呼ぶ場合もある。
■警備さん
職人さん側からは、
「警備さん」・「ガードマンさん」と呼ばれる。
また、特に厳しい職人さんがいると、
「おい、雑用」と呼ばれる事がある。
この場合、完全に
相手の会社(建設会社)の人間だと
思われている。
■付帯業務
現場によっては、通常の警備以外の
作業をさせられる事がある。
カラーコーンの設置、掃き掃除、
職人さんの弁当の買出し等、
いわゆる、パシリである。
本来であれば、契約以外の作業をするのは
違反であるため、
職人さんのムチャぶりは無効となるが、
ただし、断ると嫌われて出禁になる。
■検定隊員
公安委員会が定める広い道路
(交通量がハンパ無い道路)等で
交通誘導を行う場合、
国家資格である、
「交通誘導業務2級」という
名誉ある資格をもった隊員を、
1人以上配置する事が義務づけられている。
なお、この検定は、筆記も実技も
「ほとんどが丸暗記な試験」であり、
所持者が必ずしも、技能が
優れているわけではない。
■検定現場
検定隊員を配置しなければいけない現場。
往々にして、交通量がハンパ無い道路で、
使えねぇ隊員が配置されると、
大渋滞・大事故となる場合がある。
したがって、法により、
精鋭である2級検定隊員配を
1名以上配置しなくてはならない
■幽霊隊員
検定隊員が少ない場合、
所持者の名前だけを貸す場合がある。
(※違反行為)
現場の名簿では、居る事になっているが、
実際には他の現場に居る。
■夜光チョッキ
車のライトで発光する、
黄色のチョッキである。
夜勤者のチョッキは、
さらに赤いLEDランプがついている。
夜光チョッキ所持者は、ベテランで、
プロ中のプロが多い。
■誘導棒
警備員が振っている棒。
夜勤時など、スイッチを押すと点滅する。
内勤より古参、かつ、強気な隊員は、
2本以上所持している。
新人や、押しの弱い隊員は
1本しか支給されない。要求すると、怒られる。
■腕章
腕についている。紐で結んで装備。
ただの飾りである。
■白帯
表に見えている部分は、ベルトのように見えるが
ただの飾りである。
本当のベルトは、通常のズボンと同じで、
ベルト通しの部分にある。
■ゴルァ電話
現場で、隊員が失態を犯すと、同然だが、
会社にお怒りの電話が鳴る。
こわもての職人さんが多いので、
当然、怒鳴られる。(さすが、迫力がある)
■内勤
現場には出ずに、会社内でシフト管理、
営業、経理などを担当する社員。
クライアントからの「ゴルァ電話」も担当する。
アルバイトではなく、社員である。
そのため隊員に対して、キビシイ。
唐突にオファーがあり、
アルバイトが同意すれば社員登用される。
誘われるのは、主に、文科系・草食男子が多い。
(頭が良さそう・計算が出来そう。)
または、自分から志願するバイトもいる。
この場合では、
「やんちゃ」あがりや、肉食男子が多い。
(見栄 または 子供ができたという理由から)
ただし、社員になっても、
自分より先輩で、かつ、
年上のバイトには逆らえない。(人情)
自分より、後から入ってきた隊員に対しては、
年上だろうと、怒鳴りちらす傾向がある。
■役職名
軍隊をイメージしている節(ふし)があり、
アルバイトは隊員、内勤の社員は隊長、
新人の内勤は隊長補佐などと呼ばれる。
数年で異動や昇格があり、
上が異動すると、チャンスがある。
役職が上にいくに従って、
室長代理、室長、支社長、
ブロック管理課長など呼ばれ、響きは良い。
その後は、役員になったり、
新任研修の講師になったり、多岐にわたる。
出世は、内勤だけの話であり、
外勤(アルバイト)では、
せいぜい「班長」程度の出世である。
なお、アルバイトから内勤に
社員登用された場合、
検定を受けさせられる場合がある。
アルバイトに対し、示しをつける為にも、
検定合格バッジをつけるのが目標となる。
さらに役職により、
制服につける徽章や肩章の数が増え、
偉い人ほど、ジャラジャラと、
豪華なアクセサリーが装備されている。
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なり方 警備員になりたいなら
普通に、新聞の折込求人に毎週出てるので、
履歴書持って面接に行く事となる。
名目上は、
人の生命・身体・財産を守る仕事なので、
前科者は警備員にはなれない。
5年以内に犯罪歴があると、アウトである。
また、残念な事に
直近5年間の職場全てに、在籍確認の電話が
入り、やや気まずくなる。これはつまり、
前の職場の方々に、
お前が警備員になった事が、100%知れ渡る。
犯罪歴さえなければ、全員、
面接に合格する。
面接の後、登録前に、
4日間の新任研修に行かされる。
(警備業法で定められている)
最寄の会社・支社ではなく、
研修センターのような所
(研修を担当する支社)まで行かされるので、
遠い場合がある。無論、交通費は自腹である。
長い話や、道交法の話、DVD観賞、
交通誘導の練習、
軍隊みたいな、「気をつけ」、
「回れ右」、「敬礼」などの動作練習を、
屋上などで、大声をあげながら練習する。
講師は、熱血な人が多く、そして、
とてもキビシイ。言葉も乱暴な場合が多い。
新任研修でのリタイアは
ドロップアウトなどと呼ばれ、
その確率は30%程度と言った所である。
大声が出せない人・のみ込みが悪い人、
打たれ弱い人・内気な人は、
3日目には消えている。
この研修も、勤務扱いとなり、
最低賃金程度の給料となる。
一日8時間×4日間で、
およそ20000円程度となる。
4日間の研修が終ると、お前の住所の
最寄の支社に、晴れて 登録・配属となる。
これで、お前も警備員を名乗る事ができます。
しかし、警備員になれても、
仕事があるわけではないので注意が必要である。
求人広告や面接の説明での
「最寄の勤務地考慮します」は、
なかなか実行されません。
と言うか、全く考慮されない。
新人や、やさしい隊員は、
自宅から60キロ近く
離れた現場に行かされる事が頻繁にある。
県を横断する場合さえある。
遠足と言うより、もはや旅行感覚となる。
景気が悪いと、営業は、
クライアント(依頼主)探しに躍起となる。
上からの叱責を恐れて、どんな場所・条件でも
喜んで仕事を引き受けてきやがるので
どうしても、ムチャぶりが多くなる。
隊員の配置を考えるのは隊長(社員)で、
いくら社員の身分であっても、
先輩(年上)のアルバイトに、
「明日は60キロ離れた現場に行って下さい」
と言うと、即座にキレられる。
そうなると面倒なので、
立場が弱く、意見が言えない新人のお前が
行かされる事が多い。
現場がとんでもなく遠いと、
始発に乗って、何本も乗り継いで、
現場に赴く事となる。
高額の交通費を引いたら、
日給が完全消滅する場合がある。
交通費は、多くの警備会社で、一切出ない。
にもかかわらず、
車で行ってはいけない現場もある。
それでも、そのような現場を断った場合、
お前に仕事が回ってきづらくなる。
下積み時代だと思って、
耐えるしかない。
このような過酷な世界なので、
(ドロップアウトしない限り)
全員面接合格なのである。
脱落者がいても良いように、
人員(駒)は多いほうが良いのだ。
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