同期の桜がどんどん散っていく
唐突に いざさらば
アシスタントはつらいよ
辞めていく人たち
アシスタントが辞める場合
どんな理由?
アシスタントの場合
ケース1
1ヶ月程度で辞めていく人
見習い
「なんとなく」という理由で
美容室に入社してきた者たちは、
立っているだけの1ヶ月に
耐えられず、去っていく場合が多い。
これは、専門学校を経ていない、
免許なしの見習いによくある光景である。
自分1人 立っているだけというのは、
見習いにとっては、無限地獄である。
これが、「免許ありのアシスタント」として
入社してきた者であれば、
「必ず美容師になる」という
明確な目標があるため、耐えられる。
「できる仕事が無いんだから、
見学していなさい」という事なのだが、
なんとなく入社してきた者にとっては、
見ても全くもって意味不明で、
非常につまらないものである。(苦痛)
例えるなら、英語に興味の無い者が、
分厚い英和辞典を「8時間読んでいなさい」
というのと同じだ。
それに対し、美容専門学校を経てきた
アシスタントであれば、
見学していて、分かる部分が多々あり、
非常に興味をくすぐられ、
快感すら覚える。
自分が学校で2年間学んできた事の、
上位技術を間近で見られ、
鳥肌が立つ事すらある。
これは、モチベーション(やる気)を
維持するのには、充分な理由である。
手荒れ
前のページで紹介したが、
体質・生活習慣上、
完治が極めて困難な者は、
周囲の期待に反して、
忸怩(じくじ)たる思いで去っていく。
美容師の道は絶たれても、
関連業務であるブライダルや、
エステなどの世界で再起を誓う。
生粋のサボリ魔
これは、美容師じゃなくても、
どこの会社でも有り得る。
サボリの上級者となると、
自身の親になりすまし、
「ウチの子供は本日休みます」
という電話を、
店にかけてくる自作自演もいる。
(自演乙)
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ケース2
1年程度で辞めていく人
店長の制裁措置に
耐えられない
我の強いアシ(アシスタント)であれば、
これまた我の強い店長と、
しばしば衝突する。
事の発端の内容は問わず、
アシ如きに反論されたことへの報復として、
店長は、そのアシに対し、
「一切の仕事を与えない」という
強権を発動する。
ほとんどが店長のお客様のため、
ヘルプができないとなると、
彼の存在意義が消滅する。
怒った店長が強権を発動!
こうなると 所詮、
指名客のいないアシスタントは
まったくもって無力である。
店のお客様の大部分が店長のお客様であり、
そのヘルプにつけないとなると、
マジ 仕事がなんにも無い
すると、まわりの全スタッフが多忙の中、
彼は1人、
突っ立ている事しかできない。
みんな、必死に働いているのに、
自分だけ 仕事が無い。(立ってるだけ)
ものすごい罪悪感
と、同時に、
マジ さらし者である。
この仕打ちは、10分間でも、
精神的ダメージは、甚大である。
ところが、この制裁処置は、
営業終了まで、果てしなく続く。
まず、
この状況が、1時間ほど経過すると、
精神力のあるアシスタントでも、
圧倒的な絶望感により、泣いちゃう。
アシスタントリーダーとしての
プライドが、完全に粉砕される。
おまけに、
泣いても 仕事もらえない。
やがて、
涙は 30分程度で、枯れ果てる。
したがって、わりと すぐに泣き止む。
涙が枯れ果てた頃、
仕事もらえない日に限って、
店が メッチャ混む。
自分以外のスタッフが、
必死に働いており、
先輩や ベテラン美容師でさえも
パニックになる程の、大混雑である。
それでも 仕事もらえない。
再び、ものすごい罪悪感に襲われる。
制裁措置から2時間ほど経過すると、
体が 小刻みに震えてきて、
発狂しそうになるが、
かろうじて、自我は保っている。
店がものすごく混んでくれば、
やがては、自分をヘルプに
使わざるを得なくなるだろう、
そう期待しながら、自分を鼓舞する。
しかしながら、
ここで終わらないのが制裁措置である。
どんなに店が大混雑しようとも、
店長は、意地でも、
彼をヘルプには使わない。
お客様を 無駄に30分待たせても、
店長は、意地でも、
彼をヘルプには使わない。
それどころか、これみよがしに、
彼の目の前で、
ヘタクソな新人に、
シャンプーを任せるなど
見せしめ(あてつけ)も始まる。
そして、4時間ほど経過した頃、
とうとう、
わけのわからない事を、
1人で ブツブツ 言い始める。
この頃になると、
なぜか笑顔になっている。
この、彼の異様な言動は、
他のスタッフもすぐに気づくものの、
どうしていいかわからず、放置される。
店長を含め、全従業員が凍りつく。
また、美容室のお客様も、
この空間の異様さに気づいている。
この時、初めて、
美容室の最高権威である先生が出てきて、
強制的に、帰宅させられるのだが、
得てして、翌日以降、
彼とは2度と会うことはできない。
厳密に言うと、荷物を取りに来る時に、
一瞬だけ会うことができるが、
過度のストレスにより、
たった1日で
人相が変わってしまっている場合がある。
例として、白髪が大量に増えたり、
円形脱毛症になったり、
前髪が抜け落ちたりしてしまうなど。
さまざまな症状があるが、精神衛生上、
ムリをせず、大事に至る前に
辞めてしまった方が良いケースも多い。
なお、家族や友人、
祖母の期待を背負って入社してきた為、
生き地獄を味わっても、
意地で毎日出勤してくるという
勇敢なアシも少数ながら、いる。
しかし、正当な謝罪が無い限り、
店長も意地でも、
「仕事を与えない」という信念を貫く。
これが(地獄が)、1週間くらい続くと、
どんなに屈強なアシでも
精神を病む場合がある。
この時、役職上位である先生(オーナー)に
必死に相談しても、
「あなたを育てるための愛のムチ」
というテンプレ(定型文)しか
返ってこなく、アシを失望させる。
現場にあんまりいない先生に言っても、
ぶっちゃけ、無駄である。
くやし涙を流しながら、店を後にする。
翌日、親が怒鳴り込みにくるのは、
言うまでもない。
この制裁措置は、「愛のムチ」ではなく、
世間では、パワハラに該当する。
ただし、美容師のような職人の世界では、
先輩と後輩の関係ではなく、
師匠と弟子の関係であり、
師匠の存在は絶対である。
たとえ、師匠が間違っていたとしても、
弟子は従わなければならないのが、
師弟関係というものである。
理不尽にも感じるが、その対価として、
必ず立派な一人前に育ててもらえる。
美容室の場合、アシスタントは
店長の付き人と言っても良い。
付き人が師匠に下克上するなど、
決してあってはならない。
なぜなら「店長に育ててもらい、
さらに、食べさせてもらっている」から
である。
店長に言わせれば、
「だったら、自分のお客さんを連れて来て、
自分で稼げ」である。
シャバっ気の抜けていない新社会人には、
少々厳しい世界である。
異業種に憧れる
アシでも、
営業中に「不特定多数のお客様」と、
お話しする機会がたくさんある。
すると、「様々な職業の方」の
ライフスタイルが垣間見られ、
時として強い憧れを抱く。
とりわけ、自分と同年代の人が、
自分の2〜3倍稼いでいる話を聞くと、
今の(貧相な)自分を卑下して、
恥じてしまう事が多い。
俺と同い年のコイツは、
コンビニ店員なのに
あんなに優雅な生活をしていやがる。
高価なブランドの服や
高級な時計を見に付け、
外車にも乗っていやがる。
しかも週休2日だと!?
それに比べて俺は、
休みもロクになく、
こんなにコキ使われ、さらに薄給だ。
服もファストファッション(安い)、
シャンプーマンだから、
腕時計もできない。
通勤も、
親の使っていたボロい車だし・・
もうイヤだ!!
一度でもそう思うと、コンビニ店員なのに
あんなに優雅な生活をしていやがる。
高価なブランドの服や
高級な時計を見に付け、
外車にも乗っていやがる。
しかも週休2日だと!?
それに比べて俺は、
休みもロクになく、
こんなにコキ使われ、さらに薄給だ。
服もファストファッション(安い)、
シャンプーマンだから、
腕時計もできない。
通勤も、
親の使っていたボロい車だし・・
もうイヤだ!!
モチベーションが著しく低下する。
一ヵ月後
いきなり、コンビニ店員に
転職する者も、多い。
となりの芝生は
青く(良く)見えるものだが、
アシ時代の給料は本当に薄給なので、
「コンビニバイトの賃金」すら
青い芝生に見え、
実際にそっちの方が青い(良い)。
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